総金属製2インチ双眼装置(LBV-2 SKY CRUISER)の製作
木製の2インチ双眼装置を製作し機能を確かめたので、次は金属製のものを作ることにしました。この頃(2003年春)米国の会社が世界で初めて2インチ対応の双眼装置の発売を発表したのでちょっと気力を落としたのですが、45mm角のビームスプリッターを使用しているとのカタログ値はとても参考になりました。それまで良く確かめていなかったのですが、確かにエドモンド社から発売されていてシグマ光機の50mm角のものよりも安価です。さらに光学系を45mm角のプリズムで設計するとF4.5の望遠鏡に対応する必要最小の寸法になります。始めは50mm角で設計していましたが、45mm角に変更し小型化を図ることができました。2003年秋の双眼鏡サミットでは光学系の入っていない外装前の部品を組み立てて出品しましたが、やっと完成しました。名前は初め双眼革命と言う意味でBino-Revolution と考えたのですが、ある日隣を走っている車(トヨタのランドクルーザー)を見て、そうだスカイクルーザーの方が語感もいいと思いつき、大宇宙を巡る大型船の意味でスカイクルーザー(Sky Cruiser)と名付けました。
筐体はアルミ合金鋳物を削り出しています。望遠鏡への取り付けは2インチのバレルまたは、このバレルを外しM48mmねじで接続できます。
持ち運ぶ際の収納を考え眼幅調整の光軸は水平に開くように配慮しました。側面に設けてあるのは光軸微調整用のつまみです。
中央にあるつまみは眼幅調整後に接眼レンズの重さで眼幅がずれないように固定するための締め付けつまみです。写真ではワイドスキャン32mm接眼レンズが取り付いた状態を示します。 友人の田中氏のために製作した2号機です。望遠鏡への取り付けは2インチバレルによりラックピニオン式接眼部に取り付けています。
LVB2形 光学系
2インチ双眼装置LVB-2型の特長と仕様

有効径:φ44mm

対応可能な望遠鏡口径比:F4.5

眼幅調節範囲:56mm〜100mm

光路長:177mm(接眼レンズ取り付けスリーブ端面〜2インチバレル胴付き面)

ビームスプリッター:45mm角

重量:1580g

特長

ビームスプリッターにはエドモンド社製の誘電体多層膜(透過/反射比率:50:50%)のものを使用しています。光学系はこの他に直角プリズム2個(BK7反射面アルミコートタイプ)とミラー1個を使用。筐体はアルミ合金鋳物製です。光軸微調整つまみ付き。2インチバレルにより望遠鏡への取り付け可能。

今後も改良していきたいと思います。

ご希望があれば製作も可能ですのでご連絡ください。

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